伝統的工芸品とは
伝統的工芸品とは、長い年月にわたり地域の暮らしや文化の中で育まれ、受け継がれてきた技術や技法を用いてつくられる工芸品です。
単に「昔からつくられているもの」というだけではありません。 原材料の選び方から、加工、仕上げに至るまで、職人たちが世代を超えて磨き上げてきた知恵と技が息づいています。
国では、主として日常生活で使われるもの、製造工程の主要部分が手作業であること、おおむね100年以上にわたり伝統的な技術・技法や原材料が受け継がれていること、一定の地域で産地を形成していることなどの要件を満たす工芸品を、経済産業大臣が「伝統的工芸品」として指定しています。
そこには、染織品、陶磁器、漆器、木工品、竹工品、金工品、人形など、日本各地の風土や歴史から生まれた多彩なものづくりがあります。
伝統的工芸品は、過去の技術をそのまま守るだけのものではありません。 受け継がれてきた技を大切にしながら、現代の暮らしや新しい用途に合わせて変化し、次の世代へつないでいく「生きた日本文化」でもあります。
一つひとつの工芸品には、つくり手の技と想い、地域の歴史、そして日本ならではの美意識が込められています。
明日見世出展 オフィシャルホームページ先
房州うちわ(千葉県)
千葉県南房総地域で受け継がれてきた伝統的工芸品です。地元の良質な竹を使い、丸竹の柄をそのまま生かして、一本の竹を細かく割きながら骨をつくる「丸柄」が特徴です。丈夫でしなやか、手になじみやすく、実用品としての機能美と手仕事ならではの温かみを備えています。
行田足袋(埼玉県)
埼玉県行田市を中心に受け継がれてきた伝統的工芸品です。綿織物の産地として発展した地域の技術を背景に、履き心地や丈夫さを追求しながら、一足ずつ丁寧につくられています。足に美しく沿う形と細やかな縫製が特徴で、和装を支える実用品として長く親しまれてきました。
江戸木目込人形(埼玉県/東京都)
江戸木目込人形は、東京都と埼玉県を中心に受け継がれてきた伝統的工芸品です。木の胴体に筋を彫り、その溝へ布地を押し込む「木目込み」という技法で衣装を仕立てるのが特徴です。優美な表情と繊細な衣装表現に加え、職人の高い造形技術が生み出す温かみのある姿が魅力です。
江戸節句人形(東京都)
東京都を中心に受け継がれてきた伝統的工芸品です。ひな人形や五月人形など、子どもの健やかな成長や幸せを願って飾られてきました。端正な顔立ちや華やかな衣装、細部まで丁寧につくられた姿が特徴で、江戸の美意識と職人の高度な技術が息づいています。
東京銀器(東京都)
東京都を中心に受け継がれてきた伝統的工芸品です。銀を金づちで打ちながら形を整える「鍛金」などの技法を用い、器や酒器、装飾品などがつくられます。銀ならではの美しい光沢と、使い込むほどに深まる風合いが魅力で、職人の確かな技と繊細な手仕事が息づいています。
村上木彫堆朱(新潟県)
新潟県村上市で受け継がれてきた伝統的工芸品です。木地に繊細な彫刻を施し、その上に天然の漆を何度も塗り重ねて仕上げるのが特徴です。使い込むほどに艶と深みが増し、彫りの美しさと漆の落ち着いた色合いが調和した、重厚で温かみのある工芸品です。
甲州印伝(山梨県)

山梨県甲府市を中心に受け継がれてきた伝統的工芸品です。鹿革に漆で繊細な模様を施す独特の技法が特徴で、財布や小物、袋物などに用いられています。しなやかで丈夫な鹿革と、使うほどに艶を増す漆の美しさが調和した、実用性と品格を兼ね備えた工芸品です。
駿河竹千筋細工(静岡県)

静岡県静岡市を中心に受け継がれてきた伝統的工芸品です。細く割った竹ひごを一本ずつ組み上げ、花器や菓子器、照明などをつくります。竹のしなやかさを生かした繊細で美しい曲線と、軽やかで上品な佇まいが特徴で、職人の緻密な手仕事が息づいています。


















